レポート


11月20日(土)/掛川市:出発式&スタート〜水窪町

 静岡県掛川市〜森町〜春野町〜龍山村〜佐久間町〜16:00 水窪町(泊)
  <約86q/登坂標高差約700m>


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 『ロード・オブ・ザ・ソルト』の第一目。掛川城三の丸広場に集合したサイクリスト13名は、掛川市小松助役から掛川名産のお茶を受け取り、昨日相良でいただいた塩とともに訪問する各市町へとお届けする大役を仰せつかったのであった。

 9時に掛川城をスタート、直後に塩の道はまさしく路地と呼ぶしかない細い道に分け入る。郊外までそんな道が続く。地元のサイクリストも「こんな道は知らなかったなあ」の連発である。ウォーターボーイズのロケにも使われた天竜浜名湖鉄道原谷駅にも寄り道して、一同は一路森町へ。ちょいとわき道にそれると、あるわあるわ、塩の道らしい秋葉灯。
旧道でしっとり市街を流して、ジグザグの町並みで有名な城下へ。ここでは、お茶屋さんで歓待を受けた。ほんのり甘い、森のお茶のそれはおいしかったこと。

小松正明掛川市助役の「行ってらっしゃい宣言」のもと、9時に掛川城を出発。
市内原谷付近の塩の道を正確にトレースする。
森町城下の町並みを堪能。
大塚製薬さん提供のアミノバリューで一息。
城下は戦国時代の名残を残すノコギリ状の町並みがユニーク。
地元森町から参加の増田さんのはからいにより船木茶店で美味しいお茶でいっぷく。
 

 それからいよいよヒルクライム。周智トンネルを抜けると、まさに北遠の入口に立ったという感じ。遠い尾根にスーパー林道などが望めたりする。ベテラン揃いなので、ダウンヒルもマナー良く安全第一。下りきったら、若身、犬居などの旧道筋を流して、それから秋葉大社下社付近で、お昼。出発前にはもちろん参拝だ。ちょっと先の九里橋という橋があるかつての秋葉大社上社への山道への入口にも立寄る。


森町から春野町へ周智トンネルをくぐる。このトンネルは中に大きなカーブがある。
春野町側の下り坂を疾走する山崎清一さん。
秋葉神社下社でツアーの安全祈願をする。
気田川沿いの快適なみちを自転車を連ねて進む。
気田川にかかる吊り橋に寄り道をしてみる。自転車だからこそ寄り道も容易で楽しみの幅が広がることを実感。
天竜川に合流。秋葉ダムサイトで休憩。

 続いて気田川、天竜川の川沿いを行く道へ。ほとんど車の来ない道を走る。天竜川も国道の反対側の空いた道を行く。途中台風で崩れているところの手前から、橋を渡って国道に入った。
 最後のきついヒルクライムは、船戸と呼ばれている集落のところから。一気にスイッチバックで200メートル以上上る。私は当然インナー×ローだ。ちょっとおつかれ組にはかなりしんどかったようだが、全員見事に登りきった。ここから先は国道のはるか上を行く道。すごい景観が展開する。すごいところに人が住んでいる。「下から上がってきたの?」と訊かれるのも無理はない。でもみんな地元の方々は親切な感じで、にこにこしながら見守ってくれている。ありがたい。

ダム湖畔のみちは木もれ陽が素敵だ。
ダム湖にかかるシングルトラックの吊り橋にも寄り道。
佐久間町に入り美味しいキビ餅を頬張る。
舟戸の坂を登っていくとたくさんの住民に出会った。自転車の旅人は珍しいらしい。
かなりの登坂で、疲労もピークに。
八丁坂まで登り詰めた松浦さん。顔には満足感が漂う。

 再び国道に合流してからも、まだゆるやかに上りは続く。もう夕暮れが近くなり、気温もずいぶん下がってきた。あとひとふんばりだ。
 水窪の町に着いたのは午後五時少し前。最後のダメ押しは、旧道に沿う「塩の道」を数百メートルほど自転車を押し担ぎしたこと。おあとは水窪駅へ、飯田線で帰る三人組みをみんなでお送りする。もうともかくがんばりぬいてくれた素晴らしき三人なのであった。

夕暮れの水窪の町並みを走り抜ける。
塩の道を忠実にトレースすると、まちなかの階段を自転車を担いで歩くことになってしまう。
三人は水窪までの参加。これから飯田線を使って帰路に着く自転車の旅は、鉄道との組み合わせでその可能性の幅が大きく広がる。

 掛川市や森町で、ようやく色づきかけたかなという銀杏の木が、春野や水窪ではもうすっかり美しい黄色だ。一日で、ずいぶん信州に近づいたかな、そんな感じがとても良く実感できた一日だった。


メンバーからひとこと

小澤義一さん (静岡県掛川市)
今日の私のハイライトは、春野町秋葉神社下社から気田川沿いの木立の中を天竜川合流点までをゆったり走った場面でした。初心者の私としては、きつい坂道はしんどいものでしたが、まわりのサイクリストが颯爽と坂道を苦もなく登っていく場面も印象的でした。掛川から水窪までを初めて自転車で完走した喜びにひたりながら、JR飯田線と新幹線を使って掛川へ戻ります。

松浦昭満さん (静岡県掛川市)
水窪までを完走できた充実感でいっぱいです。春野町でも、龍山村でも、佐久間町でも、水窪町でも、ふとなぜ私はここへ居るのだろう?と考えてしまう事ばかりでしたが、北遠の知らない素敵な風景を堪能しました。思えば遠くへ来たものだとは、こういう事でしょうか。

鳥居 光さん (静岡県掛川市)
いつ、リタイアしなければならないか。とずっと考えながら走ってきましたが、そうしているうちになんと水窪まで着いてしまいました。なかなか体験できない貴重で充実した旅でした。ただし、日頃の運動不足がたたって今年いっぱい後遺症が残りそうです。でも、この一日目のツアーは誰でも挑戦できる自転車旅です。皆さんもぜひ挑戦してみて下さい。

石田聖典さん(静岡県小笠町)
ベストスポットは秋葉ダムを見ながら赤い橋にかかるまでの景色。対岸は何度か走ったことがあったけれど、左岸は初めて。こちらのほうが断然いいですね。今回は、塩の道を辿るという旅でしたが、こんなふうにテーマのある旅はいいですね。

鈴木孝弘さん(静岡県森町)
最後の舟戸から登った坂は本当に大変でした。それだけに、上から眺めた景色は最高でした。夜はストレッチをして明日に備えます。

大畑克彦さん(静岡県掛川市)
森町戸綿で、地元の増田さんが案内してくれた脇道。塩の道のモニュメントがひっそりとあって。近くは何度も通っていたのに、気がつきませんでした。自転車ならこんな寄り道ができて、細い路地の向こうにある知らない風景を見られるんですね。

篠宮章浩さん(東京都杉並区)
東京からの参加なので、走り始めてすぐから新鮮な風景が広がりました。幹線から細い道路に入ると、そのまちの懐のような景色を垣間見られます。また、秋葉神社周辺には、歴史物語を感じさせる風景があり、舟戸の坂道では、小さな集落に家々が並び、人々の暮らしへの執着などを感じ、全行程にわたり、さまざまな風景を楽しみました。

池田年広さん(東京都八王子市)
秋葉ダム、気田川、“水”が印象に残るコースでした。今日はとても天気がよく、こんなふうに晴れていると景色映えするというか、ところどころの紅葉も鮮やかで美しかったです。

花島竜治さん(神奈川県横浜市)
広々とした川の上にいくつもの釣り橋がかかっている風景は、このコースの特徴的なものではないでしょうか。そして気田川、天竜川の水の色。特に天竜川の緑色は、まさに“天竜グリーン”といいたくなる独得の色ですね。

山崎卓巳さん(静岡県掛川市)
舟戸の坂の登り口にある山香の集落では、自転車が沢山通るのでたくさんの人たちが珍しそうに、家々から顔を出してくれました。山間の小さな集落でこんなに大勢の人に会ったのでちょっと驚きました。

山崎清一さん(静岡県掛川市)
今日は、初心者サイクリスト3人のサポートにつきました。彼らが80kmという距離や斜度10%近い坂道にも果敢に挑み、完走したことが一番印象的なことです。あの根性には本当に感服しました。がんばる姿が目に焼きついています。
それから、佐久間町で山を登ったところで小さな郵便ポストを見ました。山中で人の暮らしを感じた風景です。


白鳥和也さん(静岡県静岡市)
天気が良く、明るい日差しの中を走った掛川市内がよかったです。何度も訪れている掛川ですが、天気や時間帯によっても印象が変わるし、仲間たちといっしょに走ったことでも、気分が違いました。また、日暮れの佐久間町の山道から眼下150mに現在の国道を眺めながら、昔の道がこんなに高い場所にあったことを再認識しました。


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